先日、岡山県の西粟倉村にある「株式会社 西粟倉・森の学校」という杉や桧の国産材の材木会社に、家のリフォームで使う床材を買いに行きました。
広島市から車で約3時間。岡山県と鳥取県と兵庫県の3県またぎの県境の村です。
行きは三次市の中国道まで芸備線沿いを北上し、中国道に乗り津山まで、そこからは県道53号線です。道中の紅葉がとても綺麗で、優しい光があたると息をのむ景色です。
西粟倉村に着く前に、ちょっと智頭町にあるパン屋さん「タルマーリ」に行きました。言わずとしれた有名店。元保育園を使った建物。周辺の雰囲気や佇まいも素晴らしい。
そこから30分ほどで目的地の森の学校へ到着。杉の床板10箱ほどを購入しました。
建材なのに箱にイラストなんか入ってて、建材に対する丁寧な気持ちが伝わってきます。
スタッフの方に工場も案内していただいて、お話していただきました。(雰囲気がわかる写真撮ってなくてすいません。)
元は「ナカバヤシ」という大きなアルバム会社の工場。あまり使われなくなってたところを借りて始めたそうです。しかしながら森の学校自体も当初は、農家と街の消費地をつなぐようなことをする目的で設立されたとのこと。今は、材木屋として地元の主婦のスタッフさんが多くいて、そのため、働き方も主婦の皆さんの都合がつきやすいように工夫されているとのこと。
建材は標準的な4mものより、2m弱の仕様に。運びやすく重さも女性でも扱いやすい目的もあります。賃貸マンションにも使いやすい。既設のフロアに置くだけのユカハリタイルという50cm角の木材タイルの製品も。輸送や設置のハードルが低いですね。
この建材に出会ったのは、広島の自宅の子供部屋をまずはじめに作ったときでした。「月と雨建築舎」さんがこれを使ってDIYしてみませんかという提案をいただきました。大工さんが手伝ってくれるので半DIYですが、家族で床貼りしましたので、とても愛着があります。
ここで少し話が飛びますが、「買う」ということについて。
西粟倉村へは子どもの頃から、親によく遊びに連れて行ってもらいました。大茅スキー場でソリ遊びや若杉原生林のハイキングや温泉も。僕にとって思い出いっぱいの村です。大きくなってからは度々友達や家族と遊びに。
「買い物は投票なんだ」という素敵な活動をしている友人がいますが、まさに今回の購入は投票にも似た応援したい気持ちで、木材を買いに行きました。
旅行では「田舎にお金を落とす」とかいう言葉も使われますが、なにか購入する側の立場が上になっているような言葉であまり好きではありません。
しかしながら今回は、子どもの頃から慣れ親しんだ地域を応援したい、いきさつもあって、とても良い買い物ができました。
結果的にはお金を落とすと同じことなのですが、買い物をする過程に想いを寄せて、生産者と出会い、お話を伺うことは、買い物旅行ならではだな。応援したいところに買い物旅行に行くことはいいかも。そんなことを思いながら帰路につきました。
帰路につく前に若杉原生林を散歩し、近くの「あわくら温泉元湯」というゲストハウスに立ち寄りました。日帰り入浴もできる温泉のあるゲストハウスです。ずーと行ってみたかったところでしたので、念願が叶いました。薪ボイラーで温めたお湯は体の芯までリラックス。回しものではありませぬが、ぜひお立ち寄りまたはご宿泊くださいませ!
という感じで今回の買い物旅行終了です。
タルマーリ外観
森の学校の床材の箱イラスト
若杉原生林