大家の学校 広島分校(トークイベント)を終えて

先日、大家の学校 広島分校(トークイベント)に登壇させて頂きました。とても素敵な機会でした。開催に尽力された大家の学校卒業生のお二人、山根さんと森津さんに感謝でいっぱいです。こんな素敵な名札まで作っていただいて、これは一生の宝物です。
ところで大家の学校とは、東京で壁紙を選べる賃貸住宅や青豆ハウスを運営されている青木純さん主催の学びの場です。

カスタネットしかできないのにプロのミュージシャンにセッションに呼んでもらったような気持ちで、とても光栄なことですが、聞くに耐える話ができるのか、たっぷり緊張しました。
おまけに僕の直前には夏水組の坂田さん!羽生くんの後に滑る人の気持がわかります。
こんな素敵なデザインをされている坂田さん、イベント第一部の実践スタディーユニットでは案が出ると「さあそれでは収支計画建てましょう〜。」とさらりと決まり文句のように繰り返して仰ってた、あんな雰囲気溢れるデザインなのにそれを真反対にしたような超堅実そうなところが印象的で、イニシャルK.M(強烈にM)な僕は、ふと。笑

(すてきな方々のサイトのリンクをいっぱい貼りましたので御覧ください。)

さて、僕ですが、88ハウスの経緯をプレゼン資料にまとめ、持ち時間15分でお話しました。
こちら青木さんのフェイスブックページに様子があります。
ここに自分の補足や、このイベントで感じたことなどを書いておこうと思います。

これからますます、人口の少子化、高齢化で空家が増える時代。実家を相続し、それをどう管理していくのか、そういう対象になる人が多くなりそうなのはデータを見ずとも、肌で感じる感覚です。

ところで「大家」という言葉の一般的なイメージは、「少なくとも数戸の物件を所有し、それを貸し出したりして不動産運用している人のこと」と思っています。
しかし、若い人が、ワンルームを買って、家族が増えたりしてそれを運用するなど、大家業も随分前からさまざまになってきています。

実家を相続しただけでは「大家」かな?と思っている人もいるかもしれませんが、それをどうしようかなと考え出す時点でも、この大家の学校の学びは大切だなと感じました。(既に大家の学校のページにありますが、その予備軍の時点でも。)そして学びの場でつながる仲間はありがたい存在。
実は88ハウス、義理の母の物件なので、相続する前に賃料を払って運用させてもらっているんです。(大家予備軍でもあります)

「古い家を相続して何が出来るのか?」
たまたまいろんないい条件が重なり、88ハウスを始めましたが、しかし宿の必須条件でもある「アクセスの良さ」という面では、一般的には好立地とは言えません。
そんな不利な条件をポジティブに考えるきっかけができるのは、経験や学びの集合知の中で生まれます。大家の学校はそんな場所。素敵な仲間が一緒に考えてくれるきっかけ。

僕の場合は、大阪の街中のホステルで働いていた時に、自然を楽しむことを目的に飛騨高山に行くゲストが多かったこと。そして目的は違えど同じく広島に行く旅行者が多かったことが88のアイデアのきっかけでした。(もちろん、ホステルの同業仲間の活躍やアウトドアが好きなことも)

変わって、例えば農地を相続することもあります。相続する前に耕作放棄地になることも。それを大家さんとして捉える人も増えていくのではと思います。個人的には街中に出来た空地も農地にできればいいな。

「古い家にリノベーションは必要か?」
これは実は88ハウスの自慢は立ち上げにお金をかけていないこと。そしてお金に換算できないありがたい繋がりが沢山ありました。いろんなゲストハウスオーナーに相談したりして、法律を調べ、管轄する役所を何度も訪れました。いい思い出です。
そう、ゲストがいなくても途方に暮れないという無茶苦茶な収支計画を建てる上では、リノベーション費用などを抑えることは大切でした。ま、本来リノベーションとは自分のスタイルにあった改装のこと。工事しないこともリノベーションの選択肢です。
そしていろいろDIYしてわかったこと。古い家を直すとき、例えば床を外してみないとわからないということ。新築のほうが後々も考えるとスムーズに進むこともあると思います。

「いい宿を作ることで他のいい宿との過剰な競争にならないか?」
必然的にそうなることもあるかもしれませんが、選択するのはゲストの役割。やきもきするより、いい場所を作ろうと集中するほうがいい。(でも僕もまだまだ。)そして宿を助けてくれるアルバイトさんやヘルパ―さん。友人にはホント感謝です。他にもそういう場所を持たずに場所を利用して活動している方々は貴重な存在です。

今回一番心に残った青木さんの言葉「幸せな公共空間」って暮らしにとっても必要なもの。それは人によって作られるものも自然にあるものも含めて、自分のアイデンティティにもなる場所で、心のなかで「ただいま」と思い続けることができるところ。88ハウスも誰かにとってそんな場所になれるように。

最後に青木さんの会社「まめくらし」では青木さんは「暮らしの楽団長」ということです。
この感謝の気持ちを込めてこれからもすこしづつ、88の「暮らしのアンサーソング」を書けたらと思います。