RCCラジオのCanvasに出演しました。

昨晩、RCCラジオのCanvasという番組で88のことや自分のこれまでを話しました。聴いてくださった方ありがとうございました。アシスタントの福岡さんが僕の拙い話を素敵な言葉で紡いでくれた素敵な時間でした。

Canvasは広島のクリエーターとライブペインティングのように作り上げていく番組ですが、僕はクリエーターではなく「ただの空家を綺麗にして宿をしている掃除好きのおじさん」なので、なかなかない、貴重な経験だと思います。それもあって地味にならないよう、少し話を盛ってみようかなと思ったり。(笑)

ゲストハウスというものが昨今注目されていることもあって、「ゲストハウスとはなんぞや?」という問いがよく聞かれます。それは業態や法律面のカテゴリーにとどまらず、運営の方法や、場つくりという、いわゆるソフト面でもゲストハウスという場所の特徴を説明することになります。

番組では、ゲストハウスとはホテルや旅館のような宿というよりハウス(家)を基本にした宿泊業だと思っていると申し上げました。家をきれいにして泊まってもらう宿泊業だと。そして家を基本というのは「住んでみたい」と思えるような宿がいいのではないのだろうかと。
しかし、もちろんそんな考えの正解はどこにもないので、人それぞれが考えるゲストハウスというものがあるとも思っています。そしてその自由度がゲストハウスの魅力かと。

「日本のゲストハウスに求められているものは?」という問いがありました。一言でいうと「風情」ではないかと答えました。当たり前のことですが、これはゲストハウスに限らず、「風情」のある地域や場所が、非日常の旅になにか価値や潤いを与えてくれると。風情にもいろいろあるので、和の雰囲気だけではなく、長年大切に培ってきたなにかに風情は残ると思います。
そのうち東京スカイツリーやタワーマンションに「風情」が宿るのだろうかと、老婆心に似た思いがありますが、僕にとっては88ハウスをメンテナンスしていく毎日が88ハウスの風情を育てるんだと考えています。

それから僕が考えるゲストハウスの魅力のひとつに「余白」というものがあると思っています。
これは昨年11月にひろしまジン大学と共同開催した「旅と宿泊について」というサロンイベントで、ジン大代表の平尾さんが仰っていたことで、若いころインドあたりを旅していた時に、気に入って何回も泊まったゲストハウスがあって、しかし数年後行くと、とても綺麗になっていて、印象が全く違ったという経験の中で、若いころそのゲストハウスに「何を魅力に感じていたか」というと、他のゲストも含めて自分たちがその場所の雰囲気を作っている楽しさ、自分たちの居場所だという感覚とそれを許す「関わりシロ」のある宿だった。ということでした。

その「余白」を大切にしながら日々メンテナンスしていく作業は、つまり場所をクリエイティブに整えているという理解をしながら、これからもゲストハウス業を楽しんでいきたいと思った昨晩でした。

こちら番組のアドレスです。
http://radio.rcc.jp/canvas/